Kiryuのひとりごと

No.79 kiryu  柏戦と、今後への大きな期待 04/05/16(日)16:05:52
http://www.jsgoal.jp/club/2004-05/00007870.html
試合後のセレーゾコメントです。

僕も試合の大雑把な感想はセレーゾのコメントとほぼ同様です。
野沢も増田もチームの葉っぱとしては良かったけれど、幹にはまだなれない。
もう少しチームに余裕があれば彼等の能力でもっと攻めにかかれたと思うけど、
試合中厳しいチェックを続けた柏も賞賛されるべきかなという気がしています。
昨日の試合を見る限り、最下位にいるチームじゃない。

また、「FWに当てたこぼれ球を拾ったりサポートできれば良かったが、中に入って
サポートする動きができていなかった」という所。ここに強く同意。
今に始った事じゃないけど、ファービオに当てた時にフォローが無さ過ぎる。
ただ、新井場はすごくそれを意識していたと思う。増田もそこそこ。他は全然。。。
鹿島が作ったチャンスは多くなかったけど、ファービオがボールに絡んだ時に
フォロー・あるいはパスコースを作っていた時には、ほぼチャンスに繋がっていたはず。


柏戦を経て、チーム状態に不満を持っている人は入ると思うけれど、
僕の印象としては、「手漕ぎボートにエンジンを取り付けているところ」ですね。
ここ数年で最もよい状態に向かうのではないかという期待を持っています。
その要因は増田。
昇り龍の存在が、鹿島の目を開かせようとしているのではないか。そう感じる。

彼は、鹿島の色々な壁を破る要因になっているのではないか。
それは、ピッチの上ではセレーゾが求め続けていた効果的なフリーランニングと
決断力。
また、ピッチの外に居たプレイヤー達にとっては、監督の選手起用が決して名前の
ある選手を優先したものではなく、監督が思い描くチームに必要なプレーが出来る
者が選ばれるのだ、という事実をハッキリと認める事になっているはず。
そして、なによりも僕達ファンにとっては、ピッチの上で「新しい発想」が表現
されるのを目撃する喜び!!

増田がチームに合流して間もないルーキーだという事を忘れるつもりは毛頭無い。
しかし、彼は鹿島にとって羽田以来の「本当の才能」だと思う。
彼は既に鹿島にとっては重要な戦力で、戦術の一翼を担う存在になっている。
彼の将来を夢見た「期待」ではなく、今、彼が行っているプレー、チームに与えて
いる影響を賞賛したい。


また、増田の陰に隠れてはいるが、ここ数試合で見せている石川のプレーぶりは
僕にとって大きな驚きとなっています。
昨年、左サイドをさまよっていた石川はどこへ行ったのか。
高い集中力と、駆け引きの中でのボール奪取。タイミングを見計らった攻撃参加。
彼の今のパフォーマンスが今後もディフォルトになるのなら、鹿島にとっては
非常に大きな武器になる。新井場と石川は両者とも中盤でも使えるため、チームに
与える戦略的な要素は多い。

野沢は、これまで何度もスタメンのチャンスがありながら、柏戦が初スタメンと
なりました。
セレーゾが指摘している通り、ゲームを動かすという面については力不足であった
のは間違いない。でも、それは現時点では仕方のないこと。
大切なのは、彼がゲームの中で存在し続けいたこと。攻撃だけでなく、守備の意識も
しっかりと持っていて、起用されるのも頷ける。
成長したな、と思ったのは終盤になっても意図を張り巡らせたプレーをしていた事。
できれば、もう少しFWに対するフォローをして欲しい。たぶん、それが彼の能力を
引き出す要因にもなると思うから。

増田の台頭と戦術影響で出場時間が限られているけど、今の平瀬は凄くいい。
長時間みたいんだけどなぁ。。。

そして、中田。
今期の鹿島のサッカーを見てきた中で、彼の復帰を待ちわびていました。
それにしても。。。。素晴らしいプレーぶりでした。
とても1年近くプレーできなかった選手とは思えない。

彼に最も期待していたポイントは、ゲームのコントロール。
今期の鹿島は能力は高いが非常に不安定で、特に攻め込まれ始めると立て直すことが
できなかった。それが敗因となったゲームは多いと思う。
柏戦も、前半から主導権を握られ続け、特に中田が投入された時間帯はほぼ支配
されている状態でしたが、だからこそ中田の存在感を強く感じることができました。
完全にゲームのリズムを握られている状態から、彼がボールを奪取し、パスを展開
する度に柏のリズムを剥ぎ取っていくのを感じた。

僕が持っている、彼のキャプテンシーに対する期待は物凄く大きい。
今期の鹿島は、才能としてはここ数年の中で一番の集団だと思う。技術的なレベルは
驚くほど高い。
その代わり、チームとしての軸が無く(小笠原の頑張りは認めるが)、才能を発揮
できる時間帯が限られてしまっていた。
中田の復帰によってチームに小笠原・中田という攻守の軸ができれば、鹿島の安定
感は相当増す。それが才能豊かな選手達の可能性を引き出してくれる事を期待して
います。


さて、どうでしょうか。
能天気だなと思うくらい、今の僕は夢一杯、期待一杯。
もちろん、期待がそっくり現実になるってことは無いかもしれないけど、
今のチームには良い要素がかなり生まれていると思う。
来週のゲームが楽しみでたまらない。

中田の復帰は、ギリギリのタイミングだったな、と思う。
柏戦でなければ、それほど意味深いものにはならなかったかも。
もちろん、それは優勝を狙う、といういう意味で。
彼の復帰が勝利に繋がったと思うし、この勝利は大きい。
この柏戦勝利の勢いを下地にして、中田の帰ってきたチームで戦える。
この勢いを生かそう。
ドアは閉じてないぞ。
No.78 kiryu  カシマスタジアムは意思を持つ。 04/04/06(火)08:03:07
一部の人には試合前に話していたのですが、個人的に名古屋戦はポストに当たった
シュートが勝負を分けると考えていました。

昨年末のカシマスタジアムでの最後の2試合で起きたことが、偶然とは絶対に思えなかったからです。

きっと、カシマが何か示すんじゃないか。そう思っていました。

カシマスタジアムがあれだけ強く秋田への愛着を示していた為、名古屋戦に少しだけ不安があった。彼を選びはしないかと。
でも、(本当に当然なのだけど)選んだのは鹿島。
そして、3番を継いだ金古でしたね。
こんなスタジアムを持つクラブは幸せだな。
No.77 kiryu  名古屋戦 -〜我等がクラブは途切れない〜 04/04/05(月)01:25:08
この様なゲームで、金古の名前を叫べることを誇りに思いました。

名古屋という強敵との対戦であると共に、鹿島の歴史とも言える秋田との対戦。
今回の名古屋戦は、昨年末の天皇杯に続き、歴史上に存在するゲームでした。
天皇杯の時にも書いたとおり、こういったゲームでの結果は、きっと将来の何かを
暗示するものであると信じています。

シーズンの中で迎えた試合として、良い点もあり、悪い点もありました。
しかし、シーズンの枠を越えた歴史の観点から見れば、完璧なゲーム。
素晴らしかった。良かった。

そして、決勝点を挙げた金古のコメントを読んで、本当に嬉しくなりました。

「これからは自分が鹿島を支えていきたい。」

この言葉って、どこのチームでも聞けるコメントなのでしょうか。
僕にとっては、この言葉が鹿島のクラブとしての存在を再認識させてくれる、最高のプレゼントになりました。
金古、一緒に頑張ろう!
No.76 kiryu  エウレルから返事が来た!! 04/03/14(日)15:08:58
危なかった。。。
今メールチェックしていたら、ウィルスメールが沢山きてました。
最近また増えているし、外国語で添付ファイル付きなもんだから。。。
「なんだよー、またウィルスメールばっかりだなぁ。
削除、削除、さく。。。ん??なんだこれ、送信者エウレルってまた凝っているな。。
・・・・・・・・・・・うお!これエウレルからじゃねぇか!!!」と(爆)
あぶねーーーーーーー。危うく削除するところだった。

『メールを貰ってとても幸せです
アントラーズやあなた達の事を恋しく、ホームシックのように思っています』
というような内容。
アントラーズ時代のゴールを決めたときの写真と
エウレルの子供の写真を添付してくれました。

サン・カエターノに移籍したエウレルは、多分そろそろ復帰間近。
いつでも応援してるぞ。TV放送されたら必ず見るぞ!
No.75 kiryu  開幕戦〜過程と結果〜 04/03/14(日)00:14:49
なんとか引分に持ち込むことができました。
終了直前に同点弾を打ち込み、結果として引分で勝点1を手に入れた事は評価できると思います。
でも、納得のいかない事が。。。

同点ゴールは大切なゴールでした。
でも、選手もファンも喜びすぎなんじゃないかな。
同点ゴールは僕達の目的じゃなかった。あくまで過程でしょう?
あと1分、あるいは2分間の間にもう一点取って、勝点3を得ることこそが目的でしょう?
ガッツポーズして、ボール抱えてセンターサークルに戻ってくれよ。
あの場面で大喜びしていたファンや選手達は、何を目指してあのスタジアムに居たのだろう。

そりゃあさ、レフェリーの笛が試合終了を告げれば、終了直前の同点ゴールには価値があるし、新井場は鹿島の危機を救ったって言える。拍手を送るよ。
でも、新井場がゴール決めたあの瞬間に俺たちの前にあったのは、同点っていう事実だけ。

自分自身の視点からでは、新井場の蹴ったボールの軌道を見れば、ネットが揺れるまでもなく入った事はわかっていた。
だから、ネット揺れた時には意識は「次の一点」に向いていた。
もちろん、ゴールによって力が湧いたよ。でも、それは歓喜じゃない。
あの時は失う勝点が3から2に減っただけだった。
サッカーに置いて得点っていう経過は重要なもの。でも、時と場合がある。
同点ゴールが70分に生まれていたのなら、あの喜びぶりもわかる。
でも、あと2分しかないのに、だらだら喜んでいる暇はない。
新井場にはメールを送ろうと思う。

同点を生んだ新井場と鹿島の力は評価できる。でも、
同点に満足した新井場と鹿島は評価できない。
No.74 kiryu URL シーズンの終焉 04/01/06(火)01:23:29
ボールが目前のゴールに鋭く突き刺さり、僕達のコールは途絶えた。
「ウソだろ?」
認めたくない。その気持ちは高く舞ったセレッソのシャツが否定した。
シーズンが終わった。

スタジアムが違うと、こうも違うものなのか。
延長戦を戦いながら思っていた。
同点ゴールを決めて持ち込んだ延長戦。これまでとは違った感覚があった。
勝利への希望は見える。でも、それを裏付けるものが何もない。
土台を持たない希望は、危険なシュートを受ける度に消え去り恐怖に変った。
同点後に一度モノにしたゲームの流れは、徐々に引き戻されていき、
気付けば脅威に晒されていた。
これが長居なのか。。。

2年前。ビスマルクを失ったのも、長居でのセレッソ戦だった。
長谷川を勝利で送れなかったのは、カシマでのセレッソ戦だった。
そして、秋田と相馬を失った。
この事実は、僕の中で残り続けるだろう。
勝たなければならない理由が、また生まれた。

電車に乗り込み、深夜電車が発つ大垣へ向かった。
長かったなぁと思った。
スタジアムに着いたのは家を出て、電車に揺られて17時間後。
ほんの数時間の大阪滞在は、長いシーズンの締めくくりとしてはあまりに
悲しい結末で、そしてまた長い旅が待つ。
決勝に向けて東京に滞在する計画も、何の意味ももたなくなった。
悲しい結末。悲しい週末のどこに価値を見出すのか。
突き詰めれば、それはやはり鹿島とゲームを共にできたこと。
長いシーズンを、可能な限り自分のクラブで過ごせたこと。そこに行き着く。

そして、電車に乗らなければ本当の悲しさは感じられなかっただろう。
悲しさ、怒り、憤り、憎しみ。
クラブを追う上で、マイナスの感情を捨て続けるのは僕にとってはナンセンスだ。
その記憶こそが、次のゲームから自分達の逃げ場を奪い、選択肢を1つにする。
時に自分が試合後にスタジアムに一礼するのは、屈服したからじゃない。
「必ず此処で」それを自分に植え付ける。その為だ。
埼玉と長居。この2つの競技場は僕の意識に強く残る。
次に訪れる時は僕達が必ず勝つだろう。最高の興奮と共に。

長い2003シーズンを終え、シーズンオフを目一杯使ってゆっくり2004シーズンに
切り替えていこうと思います。
どんな事を書き連ねていくか分かりませんが、2004年もコラム&HPをよろしく
お願いいたします。
No.73 kiryu URL さようなら、2003シーズン 03/12/31(水)23:55:31
あと数分で、2003年とはさようなら、ですね。
1年が終わる直前にようやく自宅に帰ってきました。
長く、とても短い1つのシーズンでした。

アントラーズは2003シーズン、天皇杯の決勝から361日間も戦ったんですね。
優勝したとか、できなかったとか、負けたとか、勝ったとか。
そういった問題はいつだって僕達にはついて来るものだけど、こんなにも長い間
僕達にフットボールを与え続けてくれた事になによりも感謝したい。
2003シーズン、おつかれさまでした。アントラーズ。

A3、アジアチャンピオンズリーグ、1stステージ、2ndステージ、
ナビスコカップ、そして天皇杯。
いろいろなゲームがありましたよね。
参加できなかったゲームはあるけれど、参加できたゲームはどのゲームも
その時点でベストを尽くして来たと思う。
なにやってんだろうってくらい移動したしね。

昔は、「タイトルをひとつも獲れなかったシーズンになんて意味は無い」
そんな事を言っていた。テレビの前で、カッコつけてね。
「他のクラブとは違うのだから」そんな言葉を誇っていた。

でも、1年、2年、3年と現場に行くってことをやっていると、
そうじゃないって事に気付いてきました。
他のクラブのファンと話しているときはクラブ対クラブだからそれでいいけど、
自分の中にあるシーズンまで、そんな感想しか持てないんじゃ悲しすぎると思った。

僕の中にある2003シーズンは素晴らしかった。
数多くの週末にクラブの皆と会えたからね!!!
アントラーズが無ければ、ぼうっと外を見ているだけだったかもしれない週末が、
現実にはクラブって存在の中で生きている。
それこそが、この鹿島アントラーズってクラブの最大の価値だ。

そして、その素晴らしい2003シーズンに何一つ勝利を掴み獲れなかった事に
深い悲しみが残っているんだ。
素晴らしい2003シーズンを、最高のシーズンにしたかった。
心残りを挙げたら、キリが無い。

ああ、まずい。あんまり喋りすぎたら2004年になっちまうよ。

愛する2003シーズンよ、さようなら。忘れない。
来るべき2004シーズンよ!!きっと最高のシーズンにしてやるぜ!!!
No.72 kiryu URL 歴史の上で 03/12/24(水)23:06:03
「誰が決めるのか」それだけに集中していた。
もはやまともに音程も合わないほど潰れた声で勝利を願いながら、
僕の中では試合結果を告げる3−2のスコアだけが見えていた。
後は、足りない2つのゴールを誰がマークするのか。そこだった。

カシマスタジアムでの2003シーズンラストゲームとして行われたこのゲームは、
通常のゲームとは違うゲームだった。僕達が過ごす「シーズン」とは別の時間軸に
存在するゲーム。
このゲームは「歴史」の上に存在する。

歴史に触れるゲームの特殊性は、そこで結果を残す者の将来に大きく影響を及ぼす
点。あるいは、その才能・可能性を引き出す点にある。
それは例えば、ジーコのJリーグラストゲームを思い出せば容易に理解できる。
1994年に行われたあのゲームで、秋田がジーコのFKから得点し、
相馬がジーコの最後のゴールをアシストするクロスを送っている。
当時の彼等は秋田が2年目。相馬がルーキーだった。
これはワールドカップで結果を残したプレイヤーが他のどの大会での実績よりも
評価される事と同じ類の視点といえる。
歴史に近づけば近づくほど、そのゲームでは深く名前が刻まれる。

これらを踏まえての、「誰が決めるのか」である。
1点返してからもう随分時間が経った。
既に深井は名前を残した。次は誰だ。

決定的シュートが外れるた度に、特殊な失意が訪れる。
「お前じゃないって事なのか。。。」
フェルナンド、青木が外し、そして本山のシュートがオフサイドで取り消された。
本山のシュートが認められなかったのは本当に驚きだった。
恐らく、名前を刻むのは本山だろうと予想していたから。
シュートが放たれるたびに、選択肢が削られていく。そんな感覚だった。

削られて、削られて、そしてついに決まった同点ゴール。
まさか、再び深井が決めるとは思わなかった。
そこまでの期待は過酷かと思っていたのだ。
あのゴールが決まった時の僕は同点に追いついた興奮というよりも、
「すごい!すごい!!」と。
この様なゲームで2ゴールを決めた彼の強さに表現できない興奮を感じていた。

そして生まれた決勝点。
僕の記憶が間違っていなければ、あのゲーム、中島は一度もコールされていなかった。
平瀬との交代で出場した時も、確かタイミングが合わずにコールされていないはず。
後半40分くらいに、「こういう重要なゲームでコールされる選手にならないとな」
なんて、偉そうな事を考えていた。
まさか、彼が最後のマーカーだとは!!!!

「オトコマエ」と言われる中島の、あの格好悪い喜び方を見ただろうか。
嬉しくて、嬉しくて。ゴールを決めたとき、その感情が彼の全てを支配していた。
逆転の興奮の中で、そんな彼の姿がスパイクを脱いだあの選手の姿に重なって。。。

恐らく、あのゴールは中島にとって大変重要なゴールとなるだろう。
初ゴールを歴史のゲームで決めるその勝負強さは賞賛に値する。
あのような初ゴールは、彼に強烈なイメージを植付ける。
そのイメージが、彼が将来生む奇跡の布石となるように思えてならない。


名前を刻んだのは深井と中島だった。
このようなゲームで2人のルーキーが名前を残すことは本当に驚きだった。
このゲームは彼等の将来を約束するものにはならないが、
将来に向けての布石にはなる。
生かして欲しい。そしていつか、彼等の活躍が鹿島の歴史を彩った日に、
またこのゲームを思い出し、語りたい。
No.71 kiryu  カシマは秋田を望んでいる 03/12/15(月)23:06:10
きっと、カシマスタジアムも秋田と共に戦いたいんだ。
そう、思えてきた。

知っていたんだよ。きっと。
埼玉で秋田が自分を責めていたことを。
だから、その時間をずっと待っていた。

カシマスタジアムは、彼が生まれた時から秋田と一緒に戦って来た。
どんな時も、秋田と共に鹿島の歴史を歩んできた。
秋田が自分の下から去り、他のスタジアムが秋田の家になるなんて、
きっと考えた事もなかったのだろう。
僕達と同じように。

だから、考えたんだ。
どうすれば秋田に課された「罪」が解かれ、
彼が鹿島に留まる事ができるのか。

あの日を取り返したくても、時間を戻すことはできない。
だから、鏡の様にあの日の状況をピッチに映した。
そして、約束の時間に秋田がそこに来るのを待っていた。

約束の時間、ついに秋田は来た。
鹿島と、カシマで戦い続けるために。
その時を待ち続けたカシマは、ゴールポストを使って
秋田にラストパスを送った。不器用な男を気遣うような優しいパスを。

絶望を、希望に変えたじゃないか。
常識の壁を超えることができる事を示したじゃないか。
普通の選手じゃない。秋田の運命は鹿島と共にあるんだ。
ファンも、仲間も、スタジアムも、秋田を愛している。
共に戦い続けたいと願っている。
No.70 kiryu  及ばない領域 03/12/15(月)01:43:10
フットボールの世界に、必然なんてものは存在しない。
偶然をその手で支配する為に人知を尽くし、引き寄せる努力の積み重ねが勝利を生む。
それがフットボール。僕達の熱狂するこの競技の大前提だ。

ただ、ただ。
それを理解していても尚、目の前で起きた出来事に必然性を感じてしまうのは、
彼が幾度となく、僕達の手に偶然を支配し、引き寄せ続けてきたから。
彼が証明してきた幾つもの事実が、僕の記憶の中で幾重にも重なり、
他人が妄想と捉えても僕は「そういう事だ」と、フットボールに無い言葉で結論付ける。

それでも、なぜこんなにも理解できない事に納得の感情が生まれるのか不思議だ。
確信と疑問は混在できるのか?
それもまた謎であり、秋田と共に戦っていれば、いつか解けるのかもしれない。


ボールが転がった先に居た男の顔は、クロスバーが隠していた。
いわゆる、「スローモーションの様に見える」と形容される一瞬に、
目が見開いていくのと同時に持った感想が頭に残ってる。
「不器用だな」
「想いが、こもってる」
喜びに湧いた時はまだ誰が決めたか知らなかった。
でも、気付いた時に沸き起こっていた秋田コールが、僕に事実を知らせた。
あの時の彼の挙動を、脳裏に焼き付けることができた事は誇りだ。


僕には説明できない。
これが必然で無ければ、なぜ、ここまでなにもかもが彼の為に成されるのか。
2週間前、「僕の責任です」と自分を責めていた彼と僕達の脳裏には、
あの日の喪失感が今も変らず残っている。
それがなぜ、2週間前に僕達を絶望させたロスタイムの得点が、
それを自責とした彼の足によって希望として僕達の下に生まれるのか。
勝利への期待を抱かせる先制点ではなく、
勝利を決める決勝点でもなく、
僕達を絶望から救う「2−2の」スコアを生む奇跡。

2週間前、幾つもの決定機を守った末に
僕達に待っていたのは悲劇ではなかったか。
今日、「同点ゴール」となるべきシュートが全て外れたのは何故だ。

「前半0−2から、後半ロスタイムに同点」
2週間前、この言葉に僕達は絶望しなかったか。
なぜ、こんなことが起こるのか。絶望が希望に変るのは何故だ。

それは必然だった。
「秋田は鹿島でなければならない」

人知の限りを尽くすのがフットボール。
しかし、人知を超えた「何か」が運命を決める時がある。
フットボールを愛せば愛すほど、隠されたその真実に気付く。
どれだけ探しても見つけられないのに、気が付けば、手の中にある。
手を開けば、そこに「理由」はあった。

秋田豊。あなたと最後まで、戦いたい。
それが鹿島アントラーズだと、僕は信じて疑わない。
No.69 kiryu  勝利と抗議 03/12/09(火)22:46:08
諦めるとか、前を見るとか。
そういうんじゃなくて、今置かれた現状を見据えれば
秋田が鹿島に残る可能性は無い。と言わざるを得ない。

もしも、全てのアントラーズサポーターが彼の残留を訴えて、
フロントがそれによって考えを翻し、
これまで以上の年俸を提示して彼に提示しても、
一度決まった彼の心を引き戻すことはできないだろう。
秋田だから。もう決めたことだから。

これは、もう踏まえざるを得ない事。
もう犯した間違いは取り返しがつかない。
秋田は戻らない。

では、僕達には何ができるのか。
秋田の為に心からの感謝とさようなら。
僕はそんな事でこの失態に決着を付ける事はできない。
惜別による結末。
それは僕にとっては今回の問題を全く直視していない結末で、
僕達が直面している問題のほんの氷山の一角。一面をやり過ごすに過ぎないと思える。
なんの解決にもならない。向くべき「前」など、今は見えない。


今、鹿島ファンが見据えなければならないテーマは2つ。
まず、天皇杯の獲得。これは言うまでも無いことで、妥協無く取りに行く。
難しいのは、もう一つのテーマとして「クラブへの要求」を行う必要があること。
天皇杯の優勝の為に戦いながら、クラブに対して今回の失態の説明と
今後に向けてのヴィジョンの明確化を要求しなければならない。

秋田や相馬を送りだすのに、抗議をするなんてバカバカしい。
そんな意見を目にする事もあるけど、それは全く的を射ていない。
秋田の放出は、失敗だ。
フロントは、秋田が来年が残ることでクラブにデメリットがある事を主張する。
そうであれば、このような「今」に至った事が失敗だったと言う事。
なぜ、こんな事になったのか。どうしてこうしたのか。
メディアを通した情報ではなく、僕達に向かって誠意を持って説明させなければならない。

秋田の放出を「悲しい」だけで終わらせようとしている人たちには、
それでは秋田の存在を舐めていると言いたい。
彼の存在が失われる事は、僕達が鹿島を好きになった理由を生み出している
選手を失うと言う事だ。
秋田の事が好きだ、嫌いだという問題ではなく、
秋田は鹿島が「鹿島」であり続けてきた「理由」。
鹿島は、鹿島を手放そうとしている。
そりゃ悲しいさ。鹿島が失われようとしているんだから。
で、悲しいだけでいいのか?

現状の鹿島は、これまでの10年間の中で今最大の問題を抱えていると思う。
秋田のポジションに、もし世界最高の選手が入っているとして、
それは本当に鹿島アントラーズなのか???
俺たちが10年間共に戦って来たアントラーズなのか。鹿島の名前をかぶった
抜け殻じゃないのか?ピッチとスタンドは誰が繋げる??
秋田の放出を決めた今、フロントに問いかけなければならないのは、
ジーコの魂を継いだ秋田の魂は、一体誰が「継いでいる」のか。という事だ。

フロントに対して抗議するか、しないかは個々の判断。それは間違いない。
抗議を強制させられる事はないし、貴方自身が必要ないと思ったなら抗議する必要などはない。
ただし、通り過ぎる事は許されない。
今、鹿島アントラーズが突きつけられている現状は、アントラーズの根幹を揺るがす
問題。
秋田の存在を軽んじ、ただ感情に流されて「悲しい」で終わる事は、
貴方のクラブに対する取り組みの軽さを証明することになるだろう。
どの様な結論を出すにせよ、クラブの事を思うなら過去・現在・未来を吟味して
最終的な判断をしなければならないと思う。

鹿島アントラーズは、プロサッカークラブである前に、クラブ。
クラブは、皆が参加するから成り立つものだと思う。
ファンがこの様な大きな問題に大して積極的に、誠実に考え、行動する事は、
社長が迷惑に思っても、クラブにとっては必要不可欠な事だ。

インファイトが黒服で応援する事を決めたらしい。
「応援のボイコットではない」と注意書きされていた所に、
天皇杯との二つの問題に取り組む為の葛藤がよく現れていると感じた。
抗議と、応援。やらなければならない二つの事を両立する為の一つの方策。
「秋田や相馬が喜ぶはずが無い」と、この方針を批判する人がいるが、
それはあまりにも表面的な事しか見ていない批判だと思う。
もっと踏み込んで考える必要があると思うし、そうでなければ口を噤む方がいい。
少なくとも、テーマに取り組む為に熟慮して取られた方策で、批判するならもうちょっとマシな理由を考える方がいい。

個人的には、黒い服を用意してスタジアムへ向かおうと思う。
現状、僕自身がクラブに対して効果的なアピール方法を持っている訳ではないため、
最低限のアピールとして黒服は用意していく。
いずれにせよフロントにこちらの意思を見せなければならないのは間違いなく、
そのために何ができるか考えて、判断したい。
No.68 kiryu  悲しいんだ 03/12/05(金)01:44:32
現時点で、気持ちを収めるとしたら感情を失うしかない。
これから書く事は、俺のエゴで戯言でしかないけど、でもそう感じてしまう。
ホントに自分勝手な言い分だけど。。。今しか言えないから。


携帯のジョグを回して、最初に出てきたのは「秋田豊」の名前だった。
頭が真っ白になりそうなのを抑えながらジョグを回した。
でも、秋田の名前を見て知ってしまった。その先にエウレルの名前も載っていることを。
秋田を切るナイフなら、エウレルも切り取るだろう。

あの日、ピッチの一番遠いところで相手のタックルをかわして着地した瞬間。
あの瞬間、タイムリミットへのカウントダウンのボタンが押されたのを感じた。
20040101
彼に下された「全治2ヶ月」の診断は、カウントダウンさえも許さずに彼から
鹿島のエムブレムを奪う時間にさえ思えた。
だからこそ、20040101。
怪我をしたその日からの2ヵ月後は、20040103。
どうあっても、2日縮めなければならない。それが可能性の始まりだから。

諦めさせてはいけない。それが最初に浮かんだ。
たった一日であっても、彼に臙脂のシャツをもう一度着させなくてはいけない。
僕達から一番離れた場所で倒れた、あの違う色のスタンドの前で終わってはいけない。
彼が諦めたら、怪我が治らなくなってしまう。復帰への気持ちを燃やさせなければ。
カマドに薪をくべなくては。できる事をやらなきゃいけなかった。だから、「エウレルがゴールを決めた時」のフラッグを初めてピッチに向けたのは、エウレルの居ないピッチになった。

僕は、彼の残留を願っていた。
全ての鹿島ファンに「エウレルは来年も居るべきだ」と主張する事はできない。
それを主張するには、日本国籍を持たない彼には数字が足りなかったから。
「足がちぎれるまで戦ったプレイヤー」は、足がちぎれた事を指摘されてしまう。
現状のプロに対する認識では、恐らくそれが正しいと解釈される。
だから、「俺はエウレルの残留を希望する」。それが限界だった。
彼のために作ったダンマクに綴ったのは、「勇敢な選手よ、物語は終らない」。
終わらせたくない。それが僕の願いだった。

でも、その思いはあの戦力外通告で終わった。
そこに、エウレルの名前が載ったからじゃない。秋田の名前が載ったから。

鹿島アントラーズは、秋田を残さなければならない。
どんなことがあっても、なにがあってもそれが最優先事項だ。
秋田は鹿島の神話。2度と現れない偉大な、人間。
クラブの創世記は、2度は無い。
ジーコの引退試合でゴールを決められる機会はもう無い。
だから!だから秋田は鹿島に残らなきゃいけない。残らなきゃ!!!!

クラブに、2人、3人の奇跡を求める事はできない。
一番鹿島にとって必要な、掛替えのない秋田を残して欲しい。
アントラーズファンの力で、最後まで戦って欲しい。
クラブに秋田の名前を歌って欲しい。

だから、僕はもうエウレルに残留は求められない。
悲しいんだ。エウレルと共に最後まで未来を見続けることができなくて。
20040101。そこで成し遂げた先に、未来を見たかった。
エウレルに奇跡が起きるのを願いながら階段を戦いたかった。

終わりを見据えなきゃいけない。
最後の1秒まで鹿島アントラーズの誇り高き一員とさせなくては。

複雑すぎる状況は、スタンドでの僕にどういう行動をさせるかわからない。
でも、どの瞬間も、俺にできる限り、アントラーズの為に。。。。
そして、アントラーズファンよ、どうか秋田の為に心を燃やして。
No.67 kiryu  誰が俺たちに握り拳を向けられる 03/12/03(水)23:37:15
勝利に彩られているのが鹿島。
それは、僕達が他のクラブを威圧する為、又は自らを鼓舞する為に使う表現で、事実と異なる。
鹿島は、全ての国内のクラブを圧倒する、敗北の歴史を持つクラブだ。

貴方の心に浮かぶ勝利を挙げてみて欲しい。その前には必ず唇の歪む敗戦があったはず。
そして、そこにはいつも「悔しい敗戦は鹿島の歴史。鹿島を信じて欲しい」と語り続ける秋田。
勝利に向けて突き進む時、秋田が挙げる右の握り拳は勝利の報告じゃない。
敗戦を乗り越える決意を、スタンドと確認する為の拳だ。

彼の拳は、僕達の気持ちをフィールドの中へ連れて行く。
前に進む決意を与える。背中に負った敗北と、鹿島の歴史を確認し合う。
それが彼の拳だ。

「共に戦おう」

にこやかな笑顔で振る選手達にそんな感情を感じる事はない。
俺たちをフィールドに降ろすのはいつも秋田豊だ。
秋田を失った俺達は、どうやってフィールドに降りれば良いのか。
誰が扉を開いてくれるのか。

いない。今の鹿島には一人としてその存在は無い。
秋田を失えば、俺達はスタンドの檻に閉じ込められる。
「いつも声援ありがとう」
遠く離れたその言葉を聞きながら。
No.66 kiryu  いなくなっていいの?? 03/12/03(水)00:35:37
「さようなら」「ありがとう」・・・
彼等に送られる惜別の言葉にただただ驚くばかりです。
いいのでしょうか。そんなにあっさり通り過ぎて。

別に、僕の様に決定に意義を唱える事が正しいとは言いません。
でも、その決定が正しいのかどうか、もう少し考えても良いんじゃないのかな。
クラブを信頼しているのか、他人事なのか分からないけれど、これほど重要な選手に
対してただ手を振るだけというのは。。。

秋田の退団は間違いなく大きなダメージを残す。
もちろん、在籍することでのデメリットを考慮してのクラブの判断だと思う。
でも、彼が在籍する事で得られるメリットと、居なくなることで生じるデメリットは
彼よりも優れた選手を獲得することでは決して埋まることの無い物です。

現時点で得られている僕の個人的ルートの情報では、No65で書いたクラブへの期待は
どうやら外れていたようだし、そうなってくると「鹿島アントラーズ」の進む方向
に、大きな影響を及ぼす可能性がある。
選手達は単なる「駒」じゃない。TVゲームで選手を取り替えるのとは違う。
秋田の影響力は、鹿島に在籍する全てのメンバー、関係者、そして地域に対してもある。
絶大的な影響力を持つ彼を軽率に外すような事があれば、クラブは周囲の信頼を失う。
今の鹿島において、数少ない「求心力」を持つプレイヤーを手放すことは、例えば彼と同じ釜の飯を食べてきた名良橋、本田に対しても大きな疑問を投げかけるでしょう。

また、鹿島における選手の構成を考えても大いに不安があります。
社会人たるプロとして厳しい戦いを続けるシーズン。
チームは誰が引っ張ると言うのでしょうか。
今回の件で名良橋と本田がチーム退団という決断をする可能性だって十分考えられる。
そうなった時に、鹿島は誰が支えるのでしょうか。

ここ数試合の目覚しい成長により、小笠原の名前が上がるかもしれません。
復帰すれば中田が居ます。曽ヶ端は素晴らしい精神の持ち主です。
しかし、彼等はまだたった5年間しかプロで経験していないプレイヤーなのです。
尊敬すべきプレイヤー達とはいえ、まさに修羅場を潜り抜けてきた秋田の様な
選手とは全く別の存在感になります。
本田、名良橋が残留しても、大岩も含めてチームを強烈に締めるタイプじゃない。

それに、秋田は日本のサッカー界の中で数少ない「フットボールの言葉」を吐ける
選手。僕の知る限り、これが出来るのはカズ、ゴン、秋田の3人。中田英寿でも
これはできていない。ファンへフットボールの真実を語ることができる稀有な選手が
鹿島から去る事は、我々ファンにとってサッカーを知る手段が一つ減るのと同じです。

「衰えた」確かにそれは僕も感じた。
でもそれは全てを表現する言葉じゃないよ。
TVで流れる言葉に甘えてはいけない。
欧州サッカーの解説者なんて、選手の名前や蹴り方は知っていても、
口先ではなくフットボールの真実を語れる解説者なんてほんの一握りなんだから。

「衰えた」その一言で秋田を失って、本当にそれでいいのか?
クラブに流れる情熱。指針。歴史。集める視線、存在感。
期待に堂々と右手を挙げるその強さ。
他に誰が持っている?
どこから連れてくれば「足りる」?
いいのか?「ありがとう、さようなら」本当にそれでいいのか??
No.65 kiryu  わかってるんだよ 03/12/02(火)21:37:50
鹿島は簡単に選手を切るようなクラブじゃない。
それは信頼してる。
プレイヤーに対する尊敬の念を各クラブじゃないって信じてる。
昨日、今日発表されたとの同じタイミングで唐突に彼等に伝えたんじゃないと思う。
話し合いは持たれていたと思う。きっと。それは最低限の事だから。

でもさぁ、納得できないよ。
秋田は秋田は俺たちの指標だよ。
苦しい時に秋田見て立ち直ってきたんだよ。
離れたくないよ。一緒に居たいよ。。。。
No.64 kiryu  彼は鹿島の神話 03/12/02(火)20:40:27
何故秋田を手放などと言うのか。
彼の紡いできた物語は鹿島アントラーズというクラブに残る神話で、心臓だ。

他の選手が立っているのとは訳が違う。
秋田豊は鹿島にとって別の次元の存在じゃないか。
クラブにとって簡単な決断だったとは思わない。
でも、他に道は無かったのか。
秋田が他のクラブのエムブレムを胸にするなんてダメだよ。
彼は臙脂のシャツで、鹿島のエムブレムで、カシマの英雄なんだから。
手放しちゃダメだ。秋田は鹿島でなくてはダメだ!
No.63 kiryu  僕等の手に残るものは 03/11/30(日)01:31:30
試合終了を告げる笛が鳴った。長いリーグ戦の終わりを告げる笛の音が。
勝者になれると思っていた。俺たちが勝者なのだと思ってた。3月からずっと。

誠心誠意、応援してきたと思う。
シーズンの間に色々な事を学んできた。1試合1試合、全力で応援したし、
1度だって自分でシーズンを終わらせる事は無かった。
厳しいシーズンの中、徐々に高くなる勝利へのハードルを見据えて、
常にそれを超える為に必要なことを、自分の考えの及ぶ限り考え、やってきたと思う。

でも、笛が鳴った時に僕達は勝者ではなく、敗者だった。

時計が2700分目を刻んだ時、僕達は王冠に手を触れようとしていたのに、
1分後に王冠は砂になって崩れていった。そして何も無くなっていた。
たった1分前までは、王になるはずだったのに。なれると思ったのに。

こんなことって、ない。何故、僕達の手に王冠が無いんだ。
ああ、1年間この事の為に戦い続けてきたのに。
希望を見据えた日々も、屈辱に歯を食いしばった日々も。
ただ、ただ。2003年というこのシーズンに勝利する為に過ごしてきたのに。

僕達は負けた。負けたんだ。
試合終了の笛を、僕達の為に吹かせることができなかった。
辛く、楽しく、愛すべき2003Jリーグ。
このリーグを、僕達のモノにすることはできない。
それが、1年経って残っていた現実だった。
そして、この手には何も残らず。。。。
ただ、ただ。喪失感が心を強く支配した。
No.62 kiryu  歌おう 03/11/28(金)22:07:55
鹿島が勝っても、磐田の結果次第って言う条件があるけれど、
不思議とそんな感覚がないんです。まるで他人事のよう。
僕達は勝つ。すごくシンプル。「でも・・・」は無いよ。
その先に優勝は必ずある。目的が曇る理由なんて何も無い。そこにあるよ。

他のチームの結果なんて鹿島が変えてやればいい。
俺たちの勝利は、最後の一歩を進める一歩に必ずなるよ。

歌い続けよう。90分。
鹿島の勝利と誇りを歌おう。
No.61 kiryu  ガンバ大阪戦 03/11/09(日)16:37:13
引分に終わってしまいました。
全体的な動きはよかったし、勝利への意欲も十分に感じたけれど、勝ち切ることができませんでした。最後の1点を奪えないこと。最後の1点を守れないこと。今シーズンらしい展開となってしまい、そこ壁を越えられなかったことが悔しいです。

今回の応援は、試合開始から僕達の意思を、勝つのだという意欲をチームに伝える応援だった。チームを前に進める為の推進力になっていたと思うし、それだけに、もう一歩進めなかったことが悔しい。

今回新たに加わった新応援。「おおおーーーーーお!」の繰り返しですが、僕はとてもよかったと思う。他に似たような応援は見た事がない特殊な感じがする応援ですから、今後も続けてやっていけるのか不安ですが、是非やっていきたい。
この応援の意図としては、「自分達のペースに引き込んでいく」というものだと思う。使いどころとしては、ゲームのリズムがイーブンな時に長く続けてコールしていくことで、ゆっくりとゆっくりと、練り込むようにゲームを鹿島のペースに引き込んでいく。という事ではないでしょうか。
昨日の場合、この応援でじっくりと下地を作っておいて、ペースを掴んだところで「Oi!Oi!ANTLERS!!」で加速させる。ゲームに対してスタンドから強くアプローチしていく応援でした。

最近の勝ちきれないシーズン展開の中で、「新応援を!」という意見を見かけることがありますが、その多くはどこかで聞いた「カッコイイ曲」「ノリのいい曲」を誇らしげに語るものだと思いました。僕自身も、新応援か・・・と考えると、やはり自分の知っているカッコイイ曲が思い浮かんでしまいます。
そういう事を考えると、今回の新応援には衝撃を覚えました。こういった新応援の追加は発想になかった。こういう事を考える人はすごいな、と思ったゲームでありました。
横浜戦では、ここで得たサポートの形を、「勝つのだ」という僕達の意欲を、さらにチームに伝えることができれば、と思う。
シーズンから逃げ出すのは早すぎる。

最後になりますが、また試合後に深井コールしてましたね。
何考えているんだろう。あきれ果てました。
不満はシーズン単位でチームにぶつけ、活躍にはなんの思慮も無く絶賛。理解できない。
深井はアントラーズの一員なのに、なぜ彼にだけ特別扱いなのか。
僕はそこに、ゲームやチームに対しての評価基準の曖昧さを感じた。
チームの目的をはっきりと認識できず、最重要目的とプロセスとの区別がつけることができない。
4−0で負けているのに1点返して大騒ぎしているのと似たようなものだ。
「所詮、目の前で起きていることに一喜一憂しているだけ」言葉は悪いけど、正直に言ってそう感じました。
No.60 kiryu  天井 03/11/01(土)04:06:40
天丼ではない。

思えば、実家に住んでいた頃はよく天井を見ていた。札幌の地図の様に、碁盤状の白い壁紙。
二階を含めて全ての窓を閉めること。周囲に物を置かないこと。そして天井との距離を確認することは、幸運にも中継される鹿島のゲームが始る前に、必ず行わなければならない3つのチェックポイントだった。

ゴールの瞬間は、あまりにも危険だ。
口を突く雄叫びは昼夜を問わず住宅地には相成れず、立ち上がる瞬間はリモコンが弾かれ、天井には拳が突き上げられる。破壊しない為には、事が起こる前に入念にチェックすることが自制の限界であり、常にジャンプ台となる椅子がある以上、天井には僕の拳を避ける手立ては無かった。

ゴールの瞬間を表現する言葉は無い。
もし、言葉にできるゴールの瞬間があるとすれば、それは恐らくツマラナイ現実が突きつけられている時のゴールであり、本当の意味でのゴールではない。
本当のゴールを表現するのは難しく、その瞬間に自分の身体に走る衝撃を表現するには、口を利用して音を発し、可能な限り高く飛び、前に進み、肩を叩くことが限界だ。爆発したエネルギーは、その時自分に与えられている能力の限界まで表現してもまだ事足りない。もし、人間に羽があるならゴールの瞬間にスタンドから人は消える。もし、人間の体が電気を発するなら、スタジアムには避雷針が必要だ。

実家の天井は、結局壊れる事は無かった。僕のジャンプ力が無かったからか。「壊れるなよ」と念じ続けたからか。それとも、今その身をカシマスタジアムに置くことができているからか。物質の耐久力の限界という物を考えに入れれば、恐らくどれが一つ欠けていても最終的には壊れていた可能性が高いだろう。

この様な視点から考えると、スタジアムという存在の偉大さに気付く。スタジアムには表現の限界は無い。

僕は、たまにカシマスタジアムで上を見上げる事がある。偉大な勝利を挙げた後。屈辱的な敗北を喫した後。極限まで昂ぶり、完全にゲームに飲み込まれた後には気が付くと上を見ているような気がする。あまり覚えてないけど断片的な記憶があるのである。
スタジアムでは、僕はTVの前で応援していた時とは比較にならない程様々な事を表現しているはずだが、向こう脛が傷つくことがあっても拳が天井に当たるような感覚は一度も無い。スタジアムはスタンドに集まる全ての人間が思いを表現することを許す、日常生活では絶対にあり得ない世界を作り出す特別な存在だ。

ピッチがプレイヤー達にとっての表現の場であるのと同様に、スタンドは観客の為の表現の場と言える。中でもゴール裏は、クラブへの愛を叫び、表現し続けるある種のアーティスト達にクラブが贈った表現の場と言えるだろう。そこをどのように彩るかは、僕達の表現力にかかっており、表現をためらうことはその場では全く意味をなさない。もっとも、もしも特異な表現をする時には周囲を納得させるセンスが必要なのは言わずもがな、だが。

スタジアム、特にゴール裏は特別な空間で、そこに日常を持ち込む事は時として人を傷つける事になる。表現したいのか、そうでないのか。スタジアムを訪れる人たちは、自分の性質を見抜く事も必要だろう。自分が何物なのかを考える事は、スタジアムでは大切なことだ。

カシマスタジアムに足を踏み入れて3シーズン。色々な事を感じ、表現してきた中で、軌道修正を加えながらも徐々に自分の方向性がハッキリしてきているのを感じる。僕はもっと表現したいのである。天井の無い世界で。

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