( 3/30[火])99シーズンライバル分析
ジュビロ
 問答無用にアントラーズと共に優勝候補の筆頭にあげられる。一昨年のJチャンピオンであり、昨年の前期チャンピオンである。
 そして、今年このライバルのポイントは奇しくもアントラーズと同じボランチのチームの大黒柱のブラジル人の離脱である。開幕前にジョルジーニョの離脱とドゥンガの離脱を比べた物だが、世間ではアントラーズ不利の意見が多かったように思える。しかし、僕はそうは思ってはいない。ジュビロにとってのドゥンガはアントラーズにとってのジョルジーニョではなくむしろジーコなのだ。選手を育てた、プロフェッショナルを体現した、チームを勝利に導いた、チームの全てを作った選手なのである。アントラーズにとってジョルジーニョの離脱は多めに見積もってもジーコの時のそれよりも影響が少ないことを予測することは容易である。すなわちこれはジュビロにとってのジーコの離脱と位置付けられる。しかも、選手達は中山を除いて俺達は十分強いと高慢にさえなっている。
 チーム力はJ屈指であることは間違いない。しかし、うまいだけではサッカーは勝てない、もしかすると今年のジュビロはそれを証明してしまうかも知れない。
 ただ、今言ったようにチーム力は間違いなくアントラーズと同等レベルなのである。
 FWはややタレント不足である。中山は得点王になった物の、中山でなければもっと点は取れたかも知れない。彼はハートはあるが技術がない。イージーなミスもよく見られる。期待の星と言われる高原だが、今のところ僕は彼のどこがいいのかちっとも分からない。ミスは多いし、技術も高いとは思えない。
 MFはJナンバー1だろう。パスは長短強弱何でも行けるし、飛び出しもいい、死角はない。

グランパス
 今シーズン最も楽しみなチームでである。去年はまさにアントラーズジュビロの2強時代であったが、その時代に終止符を打つ可能性の一番高いチームである。アントラーズが1番であることは言うまでもないが、これでまた一つレベルの高い試合が増えることはアントラーズにとっても決して悪いことではない。
 GKの楢崎は間違いなく技術、ハート共にJ屈指のGKである。伊藤が控えているという事は代表の試合もほとんど影響しないだろう。
 DFは正直なところやや難ありと言ったところかも知れない。可もなく不可もないというのが本来の評価かも知れないが、補強も行われず、層も特に厚くもない。他のポジションと比べて見劣りし、バランスが良くないのである。まぁ、楢崎との連携によっては特に問題はなくなるのだが。
 MFもまた、名古屋の魅力の一つであろう。ジュビロアントラーズに次いでそのタレントは豊富。平野、望月、山口と日本人の粒はそろい、さらに今シーズンはいわゆるトップ下に妖精ことストイコビッチが位置するだろう。このメンバーを見る限り死角はない。しかし、アントラーズジュビロに比べて劣るのが選手層、MFにもう一枚ほしいところだ。シーズン開幕前にビスマルクを狙っていたのはもっともなところだろう。またこれは確実な情報ではないので勘違いしないでほしいのだが、サビチェビッチが日本に来るという噂を聞いたのだが、もしかしたらグランパスが獲得しようとしていたのかも知れない。そうするとやはり補強を失敗したと言える。
 FWは何とも言えない魅力に包まれている。怪我から復帰したレフティーモンスター小倉は切れが戻れば日本有数のFWだし、福田は今や柳沢に続く若手FWの台頭株。今シーズン獲得した呂比須は当然日本でも屈指のFW。ほとんど外国人の戦力なのに日本国籍を有しているのもまた魅力である。
 監督がチームをまとめられるようになれば、恐ろしい攻撃力と守備を備えたチームになりそうである。個人的には元ペルージャのカルタニェル監督でも呼ぶのが適任じゃないかと思う。

エスパルス
 イヤなチームである。戦力は均等に整っている。熟成度も十分高い。特にDFラインは粒がそろい、アントラーズのDFラインにとって日本代表のレギュラー争いでもライバルとなる。中盤は伊東、サントス、田坂と仕事人がそろう。FWも安永の加入で層が厚くなった。これといった死角はない。唯一死角となるえるのが、優勝経験の無さから来る、勝負強さの欠如。ココ一番という試合を落として優勝戦線から脱落するのが”今まで”の清水。しかし、その”今まで”を打ち崩すだけの悔しさも味わっているだけに恐ろしい存在である。

Fマリノス
 戦力はフリューゲルスの主力を吸収合併しただけにピカイチだろう。しかし、サンパイオ、山口を補強しなかったのは疑問符。おまけに安永を放出したのは自爆としかいいようがない。安永は人気は城より無いかも知れないが、実力だけなら城より上。また、サリナスの放出も痛い。運動量はないものの、仕事をきっちりこなした彼がいたからこそ昨シーズン城は多くの得点を取ることが出来たのだ。サリナスを失った城は果たして何点取れることか・・・。ユサンチョルの加入は大きい。しかし、真価を発揮するまでには当分かかりそうな予感がする。グランパス同様2ndステージにかけるしかない。所で、吸収合併して新しいFマリノスというチームになったのならJFLもしくはJ2から始めるのが道理じゃないかと思うのは僕だけだろうか?

レイソル 今シーズンのダークホース候補No.1である。守りにホンミョンボ、攻めにストイチコフとしっかりしたプレイヤーが構え、その周りのプレイヤーもなかなかの粒ぞろいである。攻撃に加藤の他にアクセントがほしいところだが、現在でも爆発する可能性を秘めた、恐ろしさがある。GKの南が更なる成長を遂げればチームの安定感はさらに増すことだろう。