( 4/29[木])泥沼と希望
エスパルス戦
平瀬 柳沢
阿部
(63分長谷川)
ビスマルク
本田 鬼木
相馬 奥野
(82分室井)
秋田 中村
高桑
 エスパルス戦を見るために国立競技場に行ってきた。この2試合連続してアントラーズの試合を生で見ることが出来たのだが、どちらの試合からも僕は満足感を得ることは出来なかった。少なくともゴール裏で観戦した入場料分ほども楽しめなかった。1度は逆転したマリノス戦はまだしも、エスパルス戦はどこを見てたのしめば良いのかも見つけるのに苦労した。
 守備陣の出来自体はそれほど悪くなかった、試合開始後しばらくは不安定さも垣間見えたが、ある程度の時間がたつと、清水の分厚い攻撃も堅いアントラーズの守備には無意味に見えた。集中力も高く、カバーリングも良い。清水の決定機を何度も守った高桑。しかし、こぼれ玉を決められ先制されてしまう。不運とも言えるゴールだったが、チーム全体のマークの甘さが結果としてゴールになってしまった。このゴールについてはGKを責めるのも、DFを責めるのも少し筋が違う、これは悲しいことにアントラーズというチーム全体の非常に大きな、問題である。集中力の欠如という言葉では片づけられない歯車が今アントラーズの中ですれ始めている。このままずれた歯車を放っておけば大変なことになるだろう。
 攻撃陣の出来は目も当てられない。柳沢はボールを貰ってもミス(信じられないような凡ミス)を連発する。動き出しはそれなりによい物の全くその後につながらない。ココで仕掛けていけばと言う場面も”フリーの選手がいるから”ということでゴールに遠ざかる場所の選手に出してしまう。今日の柳沢を見ていると自分の着たユニフォームの13番が妙に恥ずかしくさえなってしまった。平瀬はマリノス戦のような積極性が見られない。効果的な動きという意味では柳沢にさえ劣る。阿部は全く使えなかった。テクニックは目を見張る物があるのに、全く勝負をしない。味方に普通のパスを出すだけ。決定的なスルーパスも、ドリブルもない。全くの役立たず。それがこの試合の印象だ。このままなら確実にワールドユース帰りの本山小笠原にポジションを奪われるだろう。今日の試合を見ていて彼等は思ったのではないだろうか?「これならイケそうだ」ってね。
 ビスマルクは何とか復帰してきたという感じ。不甲斐ない攻撃陣をなんとか動かそうと努力してはいたが、完全な状態でない彼が今の攻撃陣に息を吹き込むのは無理という物。
テコ入れアント
本山
(平瀬)
長谷川
(柳沢)
ビスマルク 小笠原
中田 鬼木
中村 室井 秋田
(金古)
名良橋
(内藤)
高桑

 しかし、そんなチーム状態の中で僕は鬼木に少し期待を抱いた。アントラーズの攻撃の起点として少なからず昨日の試合ではフィールドプレイヤーの中で一番光っていた。ジョルジのポジションを勝ち取るのはこの男まもしれない。
 そこで、前回に続き僕の考える「テコ入れアント」を発表(あんなに不甲斐ない試合を連続で見せられたら考えちゃうよ!)これは最終形態であって、あくまでココに至るまでは前回にも言ったような現レギュラーとのポジションを巡る駆け引き(争い)が行われた上、各ポジション事少しずつ変えていくもので、いきなりチームを総入れ替えする物ではない。
 まず、FW。柳沢?あんな凡ミスを連発する選手をアントラーズのトップにすえようと言うのは賛成できない。調子が戻るまではトップの試合にすら登録されなくてもしょうがないんじゃないかな?あのままでシドニー五輪代表を狙えるんなら日本のサッカーも終わりだね。今の柳沢じゃサテライトでも点を取れるか謎だもの。(本当は僕だってヤナギに凄い期待してるんですよ!)というわけで、FWはトップもこなせる本山とチームの苦境を救う術を知っている長谷川本山はトップ下で起用したいけど、今のアントラーズのFWの苦しさを考えるとどうにもならない。
 次に、MF。これはビスマルク小笠原で問題ないだろう。怪我さえして無ければ安定し続けるビスマルクとワールドユースできびしい試合を経験して一回り大きくなったダイレクトパスの申し子小笠原。良いコンビになると思う。(出来れば本山を下げてビスマルクのパスと、本山のドリブルでバランスを取りたいのは言うまでもないが前述の通り本山はココにこない)
 ボランチは成長著しい中田と遂に化けそうな鬼木。不安は残るけど、今の状態のままを時間に解決して貰うより、改革にのりだしてその上で時間に解決して貰う方が将来のためにもなる。本田のような守備のスペシャリストもセンターバックのセットプレー時の上がり具合を考えるとほしいところだけど、将来的にはボランチにも攻撃力を求めたい所なのでこれでも良いのではないだろうか?
 そしてDF。相馬の調子がこの所かんばしくない、「とりあえず入れとこう」的なセンタリングが多く、深い位置まで切れ込むことが減ってしまった。現在右サイドで起用されている中村だが、まだまだ荒削りだがこのままいけばとても楽しみなプレーヤーである。右サイドは未だ人材が育たないので現状維持しかない。
 センターバックはそろそろ室井の時代かも知れない。秋田も衰えが感じられるようになったら(今のところ感じられそうな予感さえない)金古の出番もある。
 GKは文句無しで高桑だろう。守護神という言葉がふさわしくなってきた。曽ヶ端もいっそうのプロ意識のもと練習に励まない限りはこのままでは追い越せないかも知れない。
 この改革のもう一つの目的は経営のスリム化。戦力を落として選手にかかる費用を押さえることは簡単なこと。しかしそれではサポーターは納得しないし、クラブチームとしても失格。戦力を落とさず、上手に選手を育て、活躍させ、そして売る。これをうまいサイクルでやっていかないことには経営はうまく行かない。今、うまく若手を育てられれば、ベテランに商品価値がある内に売ることが出来る。そうすれば今の赤字を黒字に変えていくことも夢ではないと思う。