( 4/ 1[土])何か問題あるの?

今日のスタメン
柳沢ベベット
ビスマルク小笠原
中田本田
相馬ファビアーノ金古名良橋
高桑
 負けた。今日の試合は惜しくも敗戦となった。一番の敗因は名良橋の退場にあるだろうが、名良橋の問題と言うよりも、審判のレベルの問題だろう。試合中審判の判定基準は曖昧だったし、危険なファールも流された。こんな審判がジャッジをしていると思うだけでも日本サッカーの未来は悩ましくなってくる。

 ゲーム展開としては前半はいつも通りに手堅い守備を中心とした安定感ある戦いを繰り広げた。金古は多少の不安を醸しながらも何とか仕事をこなしていた。29分にベベットが待望のゴールを決めた。川口の飛び出しのタイミングも良く、ほとんどシュートする余地はないと思われたパスだったが、さすがはベベット、普通なら蹴れないコースをきっちりと決めて先制。終盤は攻め込まれるものの、見事に無失点に押さえ、アントラーズの無失点記録は続くのかと思われた。

 ベベットが負傷を理由に平瀬と交代になり、後半が開始されると、アントラーズには攻めの姿勢があまり見られなかった。ベベットの不在が原因とは考えにくいが、どうやら彼らは「いつも通りに」1−0で勝つつもりだったようだ。平瀬はもしかしたら「柳沢みたいな動き方の練習」をしていたのかもしれない。ほとんど強引には打ちに行かず、攻撃を作ろうとしていた。攻撃を作るのは柳沢の仕事。ガツガツと強引にシュートに持ち込むのが平瀬の仕事なのだ。

 そんな、予定も中村俊輔という一人のMFに崩された。アントラーズは「いつも通りに勝つ」つもりでいてこの男を忘れていた。中村(俊)は一回のセットプレーで試合を変える力がある。彼のセットプレーからユ・サンチョルがヘッドを決めて同点とされると徐々に予定がずれていく。一旦は柳沢が復活を思わせる強引なドリブルでPKを貰い再びリードしたものの、1点め以降同様、引き離すことができず、徐々にペースをつかんでいった中村(俊)に最後の最後で同点、逆転を演出されて負けたのだ。

 決して、喜ぶことのできない敗戦だが、もしも、選手が「どんなに守備が安定しても得点はとれるときに取らなければ勝てない」と言うことを学んでくれたのなら次は期待できるかもしれない。経験豊富な選手が多い中だが、平瀬は大いに学んでくれたことを期待したい。相棒の柳沢は少なくても復活と思ってもらって構わないだろう。いままで、スペースを作る動きなどの走りの部分は復活をにおわせていたが、ドリブルなどの対人プレーではまだまだ復活とは言えなかった。しかし、今日のドリブル突破は98年を彷彿とさせる強引さ、強さを見せていた。今日、スタジアムに足を運んだサポーターは誰もが"あの"柳沢を感じたはずだ。だからこそ柳沢が獲得したPKにヤナギコールが鳴り響いたのだろう。PKはビスマルクが蹴ったが、サポーターの誰もがあれは柳沢のゴールだと思っている。あのヤナギコールがそれを物語っている。

 気になるベベット、金古の両選手だが、ベベットはこのゴールからチームを引っ張っていってくれることを期待したい。明らかに日本人選手との違いを見せたシュートは今後アントラーズの大きな武器となるはず。徐々にチームとの息も合ってきている。残念なのは金古。期待が大きかったからか、今日の彼にはガッカリだった。いくら若手とは言えスタメンでピッチに立ったのなら年齢は関係ない1人のアントラーズ選手なのだから相応しいプレーをしなくては行けない。しかし、今日の彼は「まだまだ」だった。残念ながら今のところ室井未満だった。もちろん彼の将来を否定するつもりはなく、大きな期待を残してくれたと思う。今後サテライトで経験を積んで、早く秋田、ファビアーノと並ぶ実力を身につけて欲しい。

 今日の試合はもう一つ大きな問題を明らかにした。内藤に変わるユーティリティープレイヤーが見あたらず、名良橋の退場以降、その穴を埋めることができなかった。まずは小笠原がその任務に就いたが、交代の時間となり、熊谷がつとめる。しかし、結局どちらも名良橋の変わりとはいかず、チームのディフェンスはバランスが崩れたまま。次節は内田、松島のどちらかが右サイドバックにはいるのだろうが、ゲーム中に修正するためには質の高いユーティリティープレーヤーが必要不可欠である。個人的にはこの役割を熊谷に期待したいが果たして今後トニーニョ・セレーゾ監督はどんな采配を見せてくれるのだろうか?

 と、様々な問題が確認されたが、長いリーグ戦を戦うことを考えれば、今日の敗戦は決して悪いことばかりではなく、多くのプラス面を与えてくれるはずだ。次節、エスパルス戦で「優勝するためには連敗しない」という定石を守ることができれば、この若いチームは一段上の階段に上がることができるだろう。4月前半の3試合を1敗以内で過ごせれば十分だと思うので、次節が大きなポイントといえそうだ。

高桑5.5今日の失点は彼の責任とは言い難いが、スタメン以外の選手との連携はこれからの課題か。
相馬5効果的なオーバーラップは見られず、少ないチャンスも活かせず。ディフェンスは安定。
金古4.5残念ながら「秋田の代役」としては不合格。これからの成長に期待。
ファビアーノ5.5相変わらずの安定感、チームの危機を幾度となく救ったが、金古との連携はまだまだ。
名良橋5攻撃参加、守備共にチームに貢献していただけに退場は痛かった。
中田5.5守備、パス共にチームの中心選手として信頼できる。しかし、ジョルジは試合を変えられた。
本田6試合が硬直したときには攻撃に参加してリズムを変えるなど、本当に一皮剥けた。
ビスマルク5.5マークがきついことは事実だが、セットプレー以外での仕事が明らかに少ない。
小笠原5なかなかのリズムを持ってパスを出すが、まだまだまわりと息が合っていない。
柳沢6アントラーズの攻撃は彼の動き出しから作られていた。ゴールは時間の問題。
ベベット5.5あのゴールはさすがだった。しかし、それ以外では見せ場は作れず。