( 9/12[木])あのな、曽ヶ端はスゲーんだよ

曽ヶ端はスゴイ。とりあえずスゴイのだ。顎がスゴイのはみんな知ってるとは思うが、実際の所GKとしてもスゴかったりする。だけど、GKってポジションは因果なものでスゴイっつってもどこがスゴイのかは実のところ余り理解されていない。GKはサッカーの経験者でも理解するに難しいポジションなので、サッカーをまともにプレーしたことのない人にとっては無茶苦茶なスーパーセーブをして始めてスゲー!となるのは致し方ないだろう。GKはなかなか本当のスゴさを理解されない可哀想なポジションなのだ。そういうことでサッカーのGK出身で、いまもフットサルでGKとしてプレーする僕が解説を試みたいと思う。

では、どこがスゴイのかのほんの一部ではあるが、ちょっと無理があっても2人のSGGK(スーパー・グレート・ゴール・キーパー)と重ねながら見ていくことにしてみよう。

■曽ヶ端の見切りがスゴイ⇔ブッフォン
とにかく曽ヶ端のボールの軌道を見極める力はスゴイ。大抵のシュートは打った瞬間に入るのか、入らないのかを見切ることができる。ブッフォンは放たれたシュートが枠に入らない、または自分が飛んでも間に合わないコースに行っているのであれば、とりあえず一か八かで飛びつくと言う行動はとらない。これは仮にシュートが枠をとらえたとしても届かないコースに飛んだシュートに対してアクションを取るよりも、バーに跳ね返ったボールなどにアクションを取れるようにしたほうが実利的だからである。一度動いてしまったら、仮にボールがバーに当たっても起きあがってキャッチするのは不可能なので、それならば届かないボールは飛ばないと言う超高度な判断の見切り技なのである。このプレーの速さと精度は曽ヶ端がブッフォンを彷彿とさせる最大の特徴なのである。曽ヶ端はシュートが打たれた次の瞬間には手を軽く上げてボールが枠に行ってないことを確認する。時に反応が鈍くて棒立ちのままなどと言われるが、それは全くの逆でもう曽ヶ端が見切った後の“見送り”なのである。

■曽ヶ端の判断力がスゴイ⇔カーン
曽ヶ端は判断力もむっちゃスゴイ。センタリングをキャッチするべきなのか、はじくべきなのか。素人GKにとっては永遠の命題とも言える(笑)この判断を下す判断力って言うのはこないだのワールドカップでカーンが絶賛されていたプレーである。例えば相手がシュートを打ってきたとする。そのシュートをキャッチできればそれに越したことはないんだけど、自分の技量で100%の確立でキャッチできるボールでない場合、キャッチに行った場合ボールを予想外の所にこぼしてしまうことがある。確かにゴールは割られてはいないんだけど、こぼしたボールは相手ボールになる可能性もあるわけで、それがゴール前となればそれはもう致命的である。ならば自分の意志の元にボールをはじけば安全であると言うのが、キャッチかはじくかの判断の基本なのだ。この判断力でカーンはドイツを決勝に導いた。そして、曽ヶ端の判断のすばらしさはこのカーンを彷彿とさせてしまうのだ。(風貌は関係ない!)

いくら言葉で言っても伝わらないスゴさがあるもので、全てはスタジアムで自分の目で見て確認して欲しい。この2つのプレーを中心に曽ヶ端のスゴさが1度でもわかったのなら、もう曽ヶ端の顎ばかりを見て楽しむことはなくなるだろう。密かにワールドクラスの面影を見せ始めたスーパープレーがそこにあるのだから。